前回のブログで少し触れましたが、
今回から、『スキップフロアの家』の現場監理について、書いていこうと思います。
<見えにくい監理の仕事 お施主様の想いを現場に届ける仕事>
建築家の仕事には、大きく分けて『設計』と『監理』の二つの業務がありますが、
それらの業務が一般の方々の目にふれる機会はあまりありません。
そこで、今回から特に見えにくい監理の仕事について書いていこうと思います。
『監理』とは、簡単に言うと設計された図面通りに建物が出来ているかを確認する作業になります。
この監理業務がおろそかになると、どんなに素晴らしい設計図を書いたとしても良い建物にはなりません。
また、現場では監理業務と平行して、
建物が立ち上がった後に、お施主様と共に現場で棚やコンセントの位置調整を行ったりもします。
図面や模型などでは、どうしてもイメージしづらい部分があるので、
より良い建物にするためには、とても重要な作業になります。
そして何より、お施主様の想いを現場に届けるための「要の作業」でもあります。
計画時初期に作られた模型です。
完成時の写真です。
<地鎮祭 現場に関わる人が気持ちよく仕事ができるように>
建物を建てる前に、まず行うのが『地鎮祭』です。
読んで字のごとく、土地の神様を鎮め、土地を利用させてもらうことの許しを得るために行います。
今回は神主さんにお願いしましたが、キリスト教徒のお施主様の場合は、牧師さんにお願いしたりします。
信仰する宗教によって、祈る対象が変わることからも、気持ちの問題が大きく、
職人さん達の安全祈願の意味合いも含まれています。
『地鎮祭』や、建物の骨組みが出来上がった際に行う『上棟式』などの儀式は、慣習として残っているもので、
多くの人が初めて体験することになり、何をどこまでやったらいいのか迷うところです。
基本的にはプロである工務店や建築家と相談して、
お施主様や現場に関わる職人さん達が気持ち良く建築に携われるようにしてもらうようにして下さい。
地鎮祭には、工務店の方や建築家も参列して、清めの儀式が終われば、いよいよ工事が始まります。
工事の無事を祈ります。
<地鎮祭>の後には、お施主様と一緒に建物の位置確認を行いました。
実際の建物位置を確認したところ、駐車スペースを少し広くしたいとの要望があったので、
建物が出来てからのメンテナンスなども考慮して、足場を設置できるギリギリの距離まで、建物位置をずらしました。
やはり、実物サイズを見てみると感じ方が違うので、現場での検討は大切です。
次回は、<基礎工事>が始まり、着工となります。 ⇒見えにくい監理の仕事<基礎工事 その1>