建築家の目線から『家を建てる前にぜひ知っておいて欲しいポイント』をまとめました
今までのブログの中でも何度か触れてきましたが、私の目標としては建築家以外の選択肢も含めて
『より良い住まいづくりのアドバイスをしたい』との想いから、この仕事をしています。
そこで、広く住まいづくりをされる方の為に、建築家の視点から有益な情報を発信したいと思い
『三重・四日市の皆様に住まいの情報をお届けするシリーズ』として
友人・知人に質問されて答えてきた、素朴な疑問や住まいの注意点について記事にしていこうと思っています。
ですので、記事のスタンスとしては、建築家以外と『住まいづくり』をされる場合でも使えるような内容にして
一人でも多くの方が、素敵な家を建てることが出来るようなアドバイスを書いていくつもりです。
モデルハウス見学の注意点とは?
記念すべき?
第一回のテーマは、『モデルハウス見学の注意点』についてです。
皆さんが、家を建てようと考えたときに、まず何に注目しますか?
家の立地?間取り?周りの環境?色々な面を考慮して住まいづくりを始めると思います。
そんな時に、手始めに訪れるのがハウジングセンターだと思います。
当事務所のお施主様も、はじめはそういった場所でモデルハウスを見てから依頼をくださるケースがほとんどです。
しかし、その中でどういった点に着目をして見れば良いかが分からないという意見を多く聞きます。
そこで今回は、建築家からのアドバイスとして
注文住宅を建てるときのモデルハウス見学について、押さえておきたい注意事項を紹介していきます。
まず、本題に入る前に「注文住宅」とは何かについて説明しておきます。
「注文住宅」とは、一般的には住宅を建てる土地を購入して
その後、建築家やデザイナーと相談しつつ家を設計して、建てる家のことです。
すでに建ててある家とは違い、一から設計を行うことで、自分好みの家をカスタマイズすることができます。
本題:実際の建物と違うところ
では、住宅展示場を訪れる際の注意事項とは、何なのでしょうか。
注文住宅は、建物が完成していない時点で契約を結ばなくてはいけません。
そのため、事前にモデルハウスを見学し、大まかなイメージを掴んでおこうと考える人も多いようです。
しかし、気を付けて頂きたいのは、これから建てる家は、モデルハウスで見たものとは全く違うものだということです。
モデルハウスは、そのハウスメーカーが標準仕様としている素材や設備だけで建てられているものではないからです。
更にハウスメーカーとは直接関係のない家具やカーテン・小物のインテリアによって建物の印象は大きく違ってきます。
そのため、モデルハウスの見学をする際には、どこまでが標準仕様なのかの確認を行っておくことが重要です。
また、外観についても同じことが言えるでしょう。
モデルハウスの多くは方角とは関係なく、お客さんが通る園路に対して正面を向いて建てられていることが多いので
家を引き立てる窓やバルコニーなどは園路側に集中して設計がなされています。
しかし、実際の方角や道路の位置などは、所有している、若しくは購入する土地によってあらかじめ決まっています。
そのため、家を引き立てる窓やバルコニーなどのアイテムが正面に出てこないという事態になってしまい
住宅展示場で見たものとは違う外観の家が出来上がることもしばしばあります。
外観については、実際に建てる土地の方角や道路などの周辺環境を想像しながら見学することが重要です。
結論:二つの点を確認しよう
注文住宅を建てるにあたって、モデルハウスを参考にするということは
空間のスケール感覚やインテリアをイメージするのに良い面もあります。
しかし一方で、参考にしたところで同じ物が建つという訳でもないので
モデルハウスのイメージに引っ張られてしまい、設計時に逆効果になることがあるので悩ましいところです。
住宅展示場を見学される際には、内装や外観の見た目よりも
『1:標準仕様の範囲』と『2:設計上の特殊性』を確認する事の方が、皆さんの住まいづくりにとって
より有益な情報となると思いますので、モデルハウスを見学の際はこの二つの点を確認するようにしましょう。