前回に引き続いて、東京で見てきた建築について書いてきます。
今回の旅行では、規模的にも用途的にも住宅に近い内容の多い、この建物が『ベスト建築』です。
クライン ダイサム という海外の建築家が設計した『蔦屋書店』
皆さんご存知のレンタルショップの『TSUTAYA』ですが、代官山の『蔦屋書店』はオシャレです。
外壁には、特注と思われる白い『T字』のタイルを使用し、植栽の緑とのコントラストも鮮やかで
代官山の雰囲気に溶け込む、気持ちの良い空間が広がっていました。
建物は2階建ての三棟を渡り廊下で繋ぐ形式で、各フロアにテーマを設定してインテリアを工夫していました。
一番驚いたのは、とにかくソファなどで座り読み出来るスペースや視聴コーナーがたくさん用意してあったこと。
旅行でなければ、長居してしましそうな居心地の良い空間が上手く配置されていました。
こちらは『蔦屋書店』の裏側
カフェやレストランが配置されており、それぞれの建物をつなぐように緑に囲まれた園路が通っています。
カフェは少し地中に埋め込むようにしてあるので、路を歩く人と視線がぶつからないようになっていましたし
園路とカフェの間の植栽空間が、道行く人とカフェでくつろぐ人の微妙な距離感を作っていていました。
このような『空間の感覚』を出来るだけ、自分の設計する建築にも生かしていかなければならなりません。
最後は、一緒に行った友人たちとふらっと入った沖縄居酒屋
代官山のカフェとはうって変わって、大衆的な雰囲気の居酒屋でしたが
とても美味しい料理ばかりで、お酒の飲めない私にとっては楽しい夜になりました。
建築の空間も大切ですが、誰と居るかはもっと大切なのだということを痛感しました。
住まいづくりを通して行きつく『ベスト建築』が代官山のカフェのような家でも
大衆居酒屋のような家でもどちらでも良いと思います。
重要なことは、設計過程で設計者とそこに住まう人とが互いに理解し合い
そこに集まる人々が幸せになるような空間を模索することだと考えています。
これからも、お施主様にとっての『ベスト建築』を提供できるように日々精進です。