小田達郎建築設計室-ブログ

2015.09.23 スキップフロアの家 | 監理まとめ

見えにくい監理の仕事<仕上げ関係の確認>

<仕上げ関係の確認>

前回のブログで<下地関係の確認>が終わり、今回は<仕上げ関係の確認>について書いていきます。

 

仕上関係の工事には、内壁の壁紙貼りや左官工事、家具・建具・設備機器の設置や外構関係の仕事など、

住人が直接触れる部分であると共に、見栄えにも関係するデリケートな仕事が多い部分になります。

職人の方々も、折角、施工した部分が汚れないように、十分な養生をして作業に望んでいます。

 

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今回は、お施主様のお父さんが左官屋さんなので、自ら珪藻土を塗ってくれています。

珪藻土は、他の左官仕上げと同様に風合いが良く、調湿効果や消臭効果も持っています。

 

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左官仕事は現場で調合を行いながら作業をしていくので、時間との勝負です。

 

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左官仕上げの壁面は、光が当るとなんとも言えない美しい表情になります。

 

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左官仕上げが終わると、建具が運び込まれ、きちんと動くように建具を削って現場調整がなされます。

完成後も多少の反りなどが出るので、その際も同じような調整が行われます。

 

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建具と同時に家具の扉なども施工され、手の触れる場所には保護塗料が塗布されています。

机なども含めて、木材には何らかの保護塗料を塗布するのが基本ですが、

水の掛かる場所では塗膜系、木目を生かしたい場所ではクリア系、着色したい場所ではOPなど

塗料の種類を適材適所に選んで、使用するようにしなければなりません。

 

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玄関のタイル貼りの作業風景です。土→砂利→モルタル→タイルと敷いていきます。

 

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外構では、目隠しの塀が積み上げられています。一日に積める段数が決まっています。

 

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目隠し塀に下塗りをして、仕上げ材のジョリパットを塗っていきます。

お施主様も手伝って、自分の家を完成に近づけていきます。

  

実際に現場に立って監理をしていると、

家というのは人の手で作られているのだということをつくづく実感します。

それだけに、現場で働いている職人さん達に、お施主様の想いを伝えるための、

『工事監理』という作業は、建築家にとって非常に重要なことのように感じられます。

 

また、大工である父から聞いた話ですが、現場の職人さんたちも、

建て主や、設計者が現場を見てくれると、張り合いがでると感じているようです。

 

これから、家を建てるみなさんも、出来る限り現場に出向いて、

家づくりに参加するようにすれば、良い家づくりができるかもしれません。

 

次回は、引渡し直前に撮られた<竣工写真の解説>をしていこうと思います。