前回のブログに続いて、<基礎工事>について書いていきます。
今回は、「地業工事」 「配筋工事」 「コンクリート打ち」について、順を追って書いていきます。
<基礎工事 入念な確認が必要とされる配筋検査>
『地業工事』は、掘削した土の上に砕石を敷いて、突き固める作業をいいますが、
掘削時に地盤が少し緩いような場合は、突き固めの作業を入念に行うように指示を出します。
そして、突き固めが終わった後は、土中の湿気が上がってこないように、防湿シートを敷く作業を行います。
その後、基礎の骨となる鉄筋を組む『配筋工事』を行い、コンクリートを形作る『型枠組み』となります。
監理の仕事の中でも、『配筋検査』は特に重要な部分であり、
加入が義務付けられている、瑕疵担保保険による検査も行われるため、
設計者による配筋検査と二重にチェックが行われることになります。
半地下になる部分があり、通常の配筋よりも複雑になるので、検査も入念に行います。
段差部分に防湿シートが見えていますが、これは地盤全体を覆っています。
配管位置や人通口位置、補強筋の確認も、配筋検査での重要なチェック項目です。
人通口を忘れている部分があったので、青スプレーで記してあります。
<基礎工事 コンクリートは温度が重要>
『配筋工事』が終わり、後日、『コンクリート打ち』が、底板部分と、立上がり部分の2回に分けて行われます。
下の写真は、『コンクリート打ち』の1回目と2回目の間で、「ホールダウン金物の位置確認」を行っています。
ホールダウン金物は、地震や台風で柱が土台から抜けるのを防ぐもので、
大きな力の掛かる柱については、基礎の立上がり部分にホールダウン金物を埋め込みます。
手前に見えているJ字の金物がホールダウン金物で、コンクリートの中に埋め込まれます。
半地下部分の基礎立上がりの継目には、この後、漏水対策として、防水用の特殊なゴムが施工されました。
配管がコンクリートの中に埋め込まれています。
ここまで来ると変更が難しいので、配筋検査時の確認が重要です。
この後、2回目の『コンクリート打ち』が行われて、<基礎工事>は終了です。
『コンクリート打ち』で重要な点として、季節によって強度を変えなければならないという特徴があります。
例えば、設計強度が21N/mm2の場合
夏は 21N/mm2+3N/mm2(強度補正)
冬は 21N/mm2+3N/mm2(強度補正)+3N/mm2(温度補正)
強度補正:強度にばらつきがでるので、その為の補正
温度補正:気温が低い場合、コンクリートの強度が低くなるので、その為の補正
コンクリートは現場での作業が多くなるので、その分、気を使わなければなりません。
次回は、<上棟>前の<プレカットチェック>について書いていきます。