小田達郎建築設計室-ブログ

2015.08.26 スキップフロアの家 | 監理まとめ

見えにくい監理の仕事<下地関係の確認>

<下地関係の確認>

前回のブログで<断熱材の確認>が終わり、今回は<下地関係の確認>について書いていきます。

 

建物が出来上がってしまえば、見えなくなる下地関係の仕事ですが、工事期間のなかでも、

かなり時間の掛かる工程でもあり、将来の不具合が起こらないようにするための重要な工程になります。

今回は、写真が多くなりますが、下地が出来ていく様子を見てもらおうと思います。

 

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天井下地 → 吹付け断熱 → 壁下地 の順で進んでいきます。 非常に丁寧に仕事をしてくれています。

 

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半地下になる部分は、断熱材の厚みを薄くしたかったので、性能の高い断熱材が一部使用されています。

 

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メイン空間の大階段。集成材を階段状に加工して、その上に合板を貼ってたわまないよう強度を出します。

 

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段板が施工されています。段板の厚みが十分な場合は、下地合板は省略することもあります。

 

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職人さんが加工した窓枠の板金。ここに外壁の板金が差し込まれる形になります。

 

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外壁のコーナーや水切り部分も板金加工で作られます。

これらの板金加工は雨水が躯体に触れないよう、『雨仕舞い』を良くするために施工されます。

 

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施工途中のガルバリウム鋼板の外壁

 

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手摺を出っ張らせないために、壁内に手摺を設置できるよう下地をしてもらっています。

 

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床暖房などのコントローラーも壁を凹ませて、出っ張らないように下地をしてもらいます。

 

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吹抜け部分は、足場を掛け渡しての作業となります。

 

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分かりにくいですが、窓の部分にボードの交点が重ならないようにして、仕上材の割れを抑えています。

これで、天井や壁の下地が完成しました。大工さんの主な仕事はここまでになります。

 

下地は建物が完成してしまえば、隠れてしまうものですので、手を抜こうと思えば抜ける場所ですが、

一方で、下地の良し悪しで、仕上げの質が決まることもありますので、大工さんにとっては腕の見せ所でもあります。

また、建築家にとっても、使いやすく美しい空間を作るためにやっておかなければならい作業が沢山でてきます。

 

最近は、家を安く作るためにどんどんと効率化していく方向にありますが、何を効率化するべきなのか

建築家自身がしっかりと理解して、お客様に説明できるようにしていかなければならなと感じています。

そういった意味で、現場監理の中で自分の図面が実際にどうやって施工されているのかを確認することは、

非常に重要なことだと思っています。

 

次回は、塗装や左官工事などの<仕上げ関係の確認>となります。